激汗ライフ

生活からこぼれた言葉、音楽にかきたてられた言葉、マイペースに書いていきます。

『おかあさんといっしょ』の『今月の歌』が気になる

昨日のホルモンから一転して、今日のテーマはEテレ『おかあさんといっしょ』で流れている歌について。この振り幅! でも、ライターなスイッチを入れて歌を聴いていると、気になって仕方ないポイントが、いろいろあるのだ。

何より、「子供向けの歌を作るには、とんでもないスキルがいるのではないか?」ということ。

だって、歌詞の背景やコード進行の妙などといった、頭で考えるところではなく、ひたすら感性に訴えかけなければならないのだから。しかも、きまぐれでまっさらな感性に。

だからなのか、子供向けの歌には、意外なほど、癖のあるものが多い。

たとえば、『おかあさんといっしょ』の11月の『今月の歌』だった、『メダルあげます』。作詞作曲は、坂田おさむ。かつて歌のおにいさんを務めていた人だけあって、歌詞もメロディも王道だ。ざーっくり言うと、お日さまやお母さん、日々頑張ってるみんなにメダルをあげます!という。

ただ、全てが王道な中で、一つだけ違和感があるのだ。♪メダルう~う~う~、という感じに、サビでメロディーが波打つのである。急な展開に驚き、惹きつけられる。そしてまた、ほのぼのした歌へ戻るのだ。子供を退屈させないスパイスは、ひと匙ぐらいがちょうどいい、ということか。なーんか、料理にも通じません? 流石はおさむおにいさん、子供の心を掴んできたベテラン料理人だ。

また、10月に流れていたのは『ガチャゴチャガンボ!』。メキシコのスープ、ガンボを愉快な歌に仕上げている……って、なんじゃ、その大人も食べたことないようなマニアックなメニューのセレクトは! でも、「何よそれ?」というメニューと、気持ち良い語感に、子供は惹きつけられるのだ。どこから生まれてきた発想なんだろう、凄い!

我が家的には、9月の歌『おもちゃのブルース』が大問題だった。一歳の娘が、初めて歌を聴いて泣いたのだ。しかも、だんだん目に涙が溜まり、口がへの字になっていき、歌が終わる頃にうえーん、という、見たことがないさめざめとした泣き方。いや、ブルースといいながらも、可愛い歌なんだよ? おもちゃが歌い踊り、最後は片付けてね~、って躾に持っていくという。それが嫌だったのかな?とも思ったけれど、ツイッターで呟いたところ、コード進行ではないか?というリプライが。作曲は久住昌之。マンガ『孤独のグルメ』の原作者で有名な、多才な顔を持つ人だ。あの、後味が残る作風を、娘も感じているのかな? 理由が聞きたい、娘よ!

ちなみに、私のお気に入りは、今年1月の歌で、最近寒くなったからまた流れている『ゆきだるまのルー』。作詞はおーなり由子。私が小学生で、雑誌『りぼん』を読んでいた頃にマンガを描かれていた方の名に、30年後に再び出会うことになるとは。こういう、親にならないと気付けない意外な作家さんが『おかあさんといっしょ』をはじめとして、Eテレでは活躍しているのだ。引き続き注目していきたい。