激汗ライフ

生活からこぼれた言葉、音楽にかきたてられた言葉、マイペースに書いていきます。

マキシマム ザ ホルモン

ライターの高橋美穂です。

書く場所を作りたくて、今更ながら、ブログをはじめることにしました。

タイトルは、以前やっていた連載から持ってきました。相変わらずの汗臭い音楽から、1歳の子供と一緒に歌いまくっているEテレ・ミュージックについてまで、徒然なるままに書いていこうと思います。

 

挨拶はこのへんにして。初回のテーマは愛するマキシマム ザ ホルモンの映像作品『Deka Vs Deka』について。

これまでもホルモンは亮君の世代観を色濃く反映してきたけれど、今作は特に、40代以上や20代以下の人にはわかるの?と思ってしまうような、ピンポイントなネタがてんこ盛り。でも、チャートを席捲している状況からは、幅広い世代の心を掴んでいることがわかるし、これはもう、80年代の復讐と言ってもいいような気さえしてしまう。狭間の時代ならではの未完成なチープさ、面倒臭さ……でも、だから楽しいし愛しいんだぜ!っていう。また、単なる懐古主義ではなく、かといってスマートにアップデートするわけでもなく、あの頃を今に通用するエンタテインメントに昇華させているところも素晴らしいのだ。亮君と同い年の自分としては、懐かしさ以上に、誇らしさで泣けてくる。

そこも含めて、今作は一言で総括すると、全編を通して、「夢って叶う」ということを教えてくれるのだ。ホルモンにそぐわないキラキラワード? いやいやいや! スタートアップDISCの内容や、収録されている数々のとんでもない企画を見るに、今作は、あり得ないをありにするという夢を実現してきた記録そのものと言えるではないか。また、どんな細かい作業も、苦労なしでは成し得ないような荒行も、自分たちも周りも笑えるような落とし所に持っていく彼らの姿は、「生きていると面白いこといっぱいあるよー」と言ってくれているように見える。それはこの時代に、どんな具体的なメッセージより説得力をもって響くのだ。

……え、肝心のDVDの詳細がよくわからないって? だって今作は、前知識がなければないほど楽しめるんだもん! きっと、見れば私が書いたことに「そういうことねー」と思ってもらえるはず。

出会った10年以上前は、ここまで大きな存在になるとは予想していなかったけれど、彼らは芯を変えないままで、理想の表現に辿り着いた。暫く、今作以上の映像作品を生み出せるバンドは出てこないだろうな。だからナヲちゃん、ゆっくり妊活してください!